札幌市生活館建設運動と並行して、昭和五十一年四月
職業相談員制度がまず発足し、最初の相談員に非常勤職員一人が配置された。やがて五十四年五月、二人制となる。職業相談員は、
札幌公共職業安定所と札幌東職業安定所に各一人ずつ配置されており、五十五年度と平成三年度の実績報告を表44(1)(2)に掲げる。
種別 | 人員(人) |
男 | 女 | 計 |
就職相談 | 36 | 64 | 100 |
就職決定者 | 28 | 45 | 73 |
相談継続中 | 8 | 2 | 10 |
就職資金貸付中 | 15 | 29 | 44 |
職業訓練受講中 | 1 | | 1 |
職業適応訓練中 | | 8 | 8 |
希望職種 | 女 | 店員・看護婦・事務員・織布工・清掃婦・賄婦・雑役婦 |
男 | 運転手・調理見習・印刷工・ガードマン・事務員・工員・営業マン・木彫・土工 |
新規職業相談 | 121人 | |
就職決定者 | 58人 | |
就職資金借受申請者 | 18人 | |
訓練受講生 | 一般訓練 | 9人 | |
短期訓練 | 9人 | |
再就職相談 | 223人 | |
事業所訪問 | 28件 | |
職業相談継続中 | 23人 | |
希望職種 | 運転手・工員・営業員・軽作業・木工・土工夫・店員・木彫工・一般事務・調理師・ウェイトレス・清掃員・看護助手・管理人・織布工・トレース・電気工事・美容師・炊事婦・警備員・バス運転手・バスガイド・自動車整備工 |
五十五年度と平成三年度の実績報告を比べても分かるように相談対象者の人員の大幅増加、職域の拡がりの実態が知られる。就職資金貸付・職業訓練・職場適応訓練の成果の現れであろうか。
なお、職業相談・就職資金の相談は、
札幌公共職業安定所(中央・東・南・西・北・手稲各区・石狩町・当別町・厚田村)、札幌東公共職業安定所(豊平・白石・厚別各区・広島町・江別市・新篠津村)で
ウタリ職業相談員が行っていた。職業相談員の側からも五十八年度の場合、相談内容で感じたこととして次のような点を指摘している。
①高卒者女性は、一般事務希望者も、求人側の実務経験・資格有無により、結局販売員・工員などに就職。女性は、清掃婦・炊事婦またはパートなどが大半。②学卒の場合、特に女子に求人が少ないため未就職者が多く、技能・資格などが必要。また、就職に対する姿勢・態度・取り組みに対して意識が薄い(年少者の場合、辛抱が不足)。③中高年男性の場合、季節労働の人が常用の仕事を希望したが、車の運転免許を取得していなかったため、再度季節労働の仕事しかなかった。④職業訓練生を希望しても所得制限のため受けられなかったので、所得制限を撤廃して欲しい。訓練期間を短期でなく半年・一年に延長した方が就職の機会も多くなるのでは(ウタリ協会札幌支部20年の歩み)。