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札幌市議会への陳情運動

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 道ウタリ協会札幌支部は、六十三年一月十三日付けで市議会に陳情活動を行った。陳情内容は、次の五件であった。
第51号アイヌ民族に関する法律制定等の要請方に関する陳情(昭和63・12・14採択)
第52号アイヌ民族対策のための部局設置に関する陳情(平成3・5・1審議未了廃案)
第53号議会におけるアイヌ民族のための協議機関設置に関する陳情(平成3・5・1審議未了廃案)
第55号アイヌ民族の歴史、文化の紹介及びアイヌの子供たちの教育を行うための施設設置に関する陳情(平成3・5・1審議未了廃案)
第56号札幌市の清掃業務等の委託に関する陳情(平成3・5・1審議未了廃案)

 結果的には、第51号の「アイヌ民族に関する法律制定等の要請方に関する陳情」のみが採択された。残る四件は審議未了で廃案となった(十七期小史)。陳情を提出した札幌支部長は、「札幌市は独自のアイヌ民族対策を」持つべきであり、「札幌在住のアイヌ人口が全道第二位にまで急増。多くのアイヌを市民として抱える自治体として、また、道都であり、国際都市を自称する市として諸外国に恥じないアイヌ民族対策を行う責務がある」といったコメントも寄せた(道新 昭63・2・10)。こうして十二月、札幌市市議会で「アイヌ新法」制定意見書が採択された。札幌支部会員三一一世帯・約一六〇〇人を抱えていた。これより先の四月十七日、札幌支部主催で「アイヌ新法」制定推進大会を開催、結束を固めた(ウタリ協会札幌支部20年の歩み)。