札幌市は、公害対策、環境施策について市民の参加や意識を向上させ、市民へ向けて公害に関する正確な知識や情報を伝えるため、市民への啓発活動を行った。
昭和四十八年には、『札幌市の公害の現況と対策』の発行、冊子『あおぞら』の発行、各種広報誌、新聞、ラジオ、テレビなど一般報道機関に対する情報の提供、街頭表示装置による公害発生状況の周知、札幌市公害防止条例に基づいて市民に委嘱した公害防止推進委員(昭47・11発足)による市民啓発、環境週間行事の実施(昭48から)、講習会の開催などの活動を行った(公害対策 昭48)。
その後、環境保全意識の醸成を政策の課題として取り組むようになるが、毎年六月の環境月間、十二月の地球温暖化防止月間、市民・事業者・行政が一体となって取り組む環境行事「エコアクションさっぽろ」の開催(平10より、平14からは「環境広場さっぽろ2002」と改称)を普及啓発事業として行っている。さらに「ローカルアジェンダ21さっぽろ」(地球環境保全の行動計画)を実践するため札幌市では、平成十年に市民向け「環境家計簿札幌市民版」と企業向け「環境行動評価書札幌事業者版」を作成した(概要 平15)。
平成四年から小学校五年生向けの環境副教材を作成・配布していた(公害対策 平4)が、十二年には「第一次札幌市環境教育・学習事業計画」に基づき小学生用「総合環境副読本」と教師用解説書を作成・配布した。十四年度までに市内の二小学校にビオトープを整備したほか、十三年度から環境教育リーダーを養成し、十四年度から派遣した。そのほか環境保全アドバイザーの派遣、子供エコクラブなどの事業を行っている(概要 平15)。(第八章第二節参照)