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【病原性大腸菌O一五七(オーイチゴーナナ)など】

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 平成八年八月六日に指定伝染病に指定され、同年には市内にも感染者一五人を出した(表21)。病原性大腸菌は毒性が強く、感染すると腹痛・血便などの急性大腸炎を発生し貧血や尿毒症を起こし、患者は子どもや高齢者に多く、生命に関わることもある。経口感染で家族に二次感染が発生するため、調理前の手洗いや消毒、材料の加熱や飲料水の衛生管理などいずれも家庭内で防止できることを保健所は呼びかけた(暮らしのニュース NO.353)。患者は九年一三人、十年一五人、十一年に急激に増えて八七人(表22)、十二年一六人、十三年に三〇人と次第に落ち着いた。特に十一年は猛暑と残暑が厳しく、九月四日になっても二八度に達したため、市保健所はその夏一七回目の食中毒警報を出して(道新 平11・9・4)、家庭での「調理は七五度一分間加熱」などの感染防止を呼びかけたが、保育所や大学サークルで集団発生し、疑似患者を含めてO二六病原菌(オーニーロクビョウゲンキン)にも感染し、計一一七人の過去最高となりパニック状態となった。O一五七の感染防止のポイントである温度管理については、冬期間の室温が繁殖に適温であるため、十二年には冬場の一・二月でも感染者が発症し(道新 平11・8・19、12・1・18、12・2・9、12・9・15)、通年での感染がみられるようになった。