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私立幼稚園の拡大

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 市内の幼稚園は昭和三十年代に入っても、私立がすべてであった。三十五年段階で現市域に、三八園一四五組、計四八二一人の園児が在園していたが、当時の手稲西幼稚園のみが公立で、その他の園すべてが私立幼稚園であった。図7は昭和二十五年度から平成十四年度までの幼稚園数・学級数・園児数・教員数をまとめたものである。園数・園児数をみてみると、三十年代に急激に右肩あがりのカーブとなっていることがわかる。三十年当時の札幌市域の就園率は一七・八パーセントであったが(北海道教育史 戦後編二の二)、四十年度には四九・〇パーセントとなり、四十六年度には六一・二パーセントとなった(概要 昭47)。全道においては、それぞれ、六・八パーセント(昭30)、二四・四パーセント(昭40)、三九・一パーセント(昭46)であり(北海道教育史 昭和33年~58年 資料編第二巻)、圧倒的に市が高率であることがわかる。ただし全国的平均と比べると、市は同程度であった。

図-7 札幌市の幼稚園
『札幌市統計書』各年度版によって作成。

 私立幼稚園は学校法人別では宗教系立が多かった。例えば三十一年現在でみてみると、当時の市域にあった二九園のうち、キリスト教系が一四園、仏教系が八園あった(札幌市教育史 戦後編)。その後、高等学校や大学の付属として設置される園も目に付くようになる。