図-2 札幌市内教会・修道院・キリスト教主義学校の分布―2003年12月末現在―
市史5上で見たとおり、昭和四十五年に確認できた札幌進出の教団数は三四団体(教団に属さない単立の教会を含む)であるが、平成十五年では同じく六四団体に増加している。これまで伝道の機会を持たなかった、例えば首都圏の教団が容易に札幌、ひいては道内に進出出来るようになったといえよう。新たに進出した諸教団にとって、札幌の教会は道内への宣教の足がかりであり、すでに道内各地に教会設立を果たしてきた教団にとっては、さらに札幌伝道が目指された。前者の例では、日本キリスト改革派教会、後者では、OMFと同様に在日スウェーデン福音宣教団の開拓伝道によって設立をみた教会が組織した日本聖書福音教団による、篠路伝道の成果(あいの里チャペル)などがそれである。
また、昭和六十二年五月以降の設立である四六教会のうち、一七教会は単立の教会である。これらの教会は創立者の特志か、さもなければ教団の支援が薄少な中で設立されている。キリスト教伝道の機会が多様に存在し、多数の教会が短期間に隣接するごとくに設立される状況は大都市の傾向であるが、札幌にもそれが及んでいる。