縄文文化の展開

125 ~ 125

縄文時代の研究は縄文式土器の研究を中心としておこなわれてきた。縄文式土器の大別と細別によって把握された各時期における文化の様相と特質は、それを軸として空間的に展望されることによって、文化圏が認識され、ついで文化と、それをつくりだした社会の構造が明らかにされてくる。

 土器型式の研究によって五期あるいは六期に大別された文化は、各地域の各時期において、あるときは独自に、あるときは周辺地域における文化と融合して形成されている。そして、土器型式の編年によって時間的序列が編成され、一型式土器によって代表される文化の内容が把握されることによって、その土器型式の分布状態により空間的なあり方が認定されるにいたる。