東大井四丁目二番地に存在する仙台坂貝塚も後期に築成されたものである。昭和二十四年に学習院史学部考古学班によって発掘された(堀田正祥・田実英一・岡田茂弘「東京都仙台坂貝塚発掘報告」『日本考古学』一―六)。貝塚は全面的に攪乱をうけていたが、部分的に未攪乱部の検出がなされた。貝塚構成の貝類は、アサリ・サルボウ・アカガイ・シオフキ・ホタテガイ・イタボガキ・マガキ・マツカサガイ・アワビ・アカニシ・バイが見られ、魚類にタイとスズキがあった。土器はその量かならずしも多くはなかったが、後期中葉の加曽利B式が見出され、そのほか、土錘と石棒の出土が見られた。