北品川宿

400 ~ 401

北品川宿は目黒川にかかった境橋から北の方、歩行新宿一町目までの間の、東海道の両側にならんだ三町ほどの町並をいう。一町目・陣屋横町・二町目・北馬場町・竹屋横町・三町目・小泉長屋・溜屋横町・八ッ山・広町耕地・三ッ木耕地・三竹耕地・根河原耕地・株木耕地・芝の前・百段・居木橋耕地・川添耕地・大崎耕地・池下耕地・河原耕地・一本木・道成谷・台町裏・小関耕地・山の腰・榎下の台の二七の小名よりなる。うち八ッ山までは町地で、広町耕地以下は耕地である。

 宿内には細川中務少輔之寿抱屋敷・久留島伊予守通嘉抱屋敷・鶴八郎左衛門抱屋敷・狩野伊川院栄信抱屋敷・塙次郎忠瑤拝借地・佐々木卯之助炮術稽古場などのほか、稲荷社・東海寺・清徳寺・光厳寺・本照寺・正徳寺・養願寺・法禅寺・善福寺・大光院などの寺社と、その門前地が入組んでいる(文政十一年段階)。

 文政十一年段階で民家五二二戸、内本陣一・中旅籠屋一九・小旅籠屋二となっており、そのほか自身番屋一・床番屋三・高札場一つがある。高札場には正徳元年のもの六枚、享保六年二枚・明和七年一枚・文化二年一枚・文政二年一枚の高札が建っていた。