つぎに谷山村の場合を見ると、寛政七年(一七九五)の年貢免状には、
一、永百六拾五文 林銭
此反別六反六畝五歩
一、永六文 藪銭
此反別三畝廿六歩
一、永弐拾七文 野銭
此反別壱反三畝拾六歩
とあり、二日五日市村の文久三年(一八六三)の年貢免状には、
一、永百七文 林銭
此反別四反弐畝廿弐歩
一、永拾文 野銭
此反別三畝拾歩
一、永五文 芝野銭
此反別弐畝廿歩
一、永弐文 芝間銭
此反別四畝五歩
一、永弐百文 未ゟ寅迄弐拾ヵ年季 質屋稼冥加永
とある。林・野・藪・芝野・芝間の区別がどうなっているのかは、関係史料がないためわからないが、耕地以外の村の原野を、その用途・型態などによって、かなりこまかく区分して評価課税している。なお質屋稼冥加永は、村内に質屋稼ぎをするものがいることに対する課税である。
品川区地域の村々は、大井村・品川宿を除いて、小物成の種類やその金額に若干の差異があったろうが、ほぼ前記下蛇窪村・谷山村・二日五日市村と大同小異といえるだろう。しかし大井村・品川宿の二つは街道にそった町場をもち、また海に面していて、そこからの収益もあるので、他の村々とは大分趣を異にしている。