品川区が、昭和四十三年に品川区史の編さん事業に着手してから七年目に入り、通史編上巻の続編としまして『通史編下巻』を今回発刊するはこびとなり、ここに区民の念願でありました品川区史の通史編が完結しましたことを喜ばしく思います。
本編は、すでに刊行されている資料集の『品川県史料』・『品川の民俗と文化』・本編『資料編』および『地図統計集』をもとに通史編上巻の続きとしまして明治維新から現代までの変遷をわかりやすく執筆していただきました。品川区史の監修者である学習院大学長児玉幸多先生以下、近代および現代史を担当する各専門分野の編修員の方々のご努力によって本編を完成することができましたことに心からお礼申し上げる次第であります。
この通史編の完成で区民の方々が―郷土しながわ―の歴史を知るうえに、さきに刊行しました資料集や写真集『目でみる品川』といっしょに大いに活用していただけるなら、よりいっそう品川を理解していただけるものと確信いたします。
なお本編以降に刊行される『資料編(古代より近世)』・『資料編(近代・現代)』および『品川区年表』をもって完結する品川区史は、品川区民にとって心の財産であり、このような一連の品川区史を後世に残せますことは、わたくしの本懐とするところであります。
本書を発刊するにあたり、資料の蒐集・調査の際には、区民の方々のほか、関係各位・各機関の格別のご理解とご協力をいただきましたことを心から厚くお礼申しあげます。
昭和四十九年八月
東京都品川区長 多賀榮太郎