三田用水

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三田用水も品川用水と同じく水源を玉川上水に仰いでいるが、その灌漑面積を表示すれば、第16表の通りである。品川用水の約半分の灌漑面積になるが、北品川宿を除けば、(谷山村分は不明、また下大崎村は品川用水分と合算するとやはり灌漑面積の方が多い)上大崎村も灌漑面積の方が大きい。ただ、品川用水より早く、すでに明治九年には上目黒村(現目黒区)の駒場勧農局の分水口設置、また明治十三年に三田村(現目黒区)、海軍火薬製造所で、水積百坪を玉川上水より取水、三田用水に合流しているのであって、水田灌漑用水の不足が生じてきている点も見落せない(『品川町史』下巻、八八七ページ以下、『目黒区史』六三三ページ以下)。

第16表 三田用水の灌漑反別

(『品川町史』下巻,888ページ)

項目 品川用水反別(A) 総水田反別(B)
村名
反 畝 歩 反 畝 歩
北品川宿 13.80.2 192.11.1
下大崎村 162.72.8 147.81.8
上大崎村 89.31.1 77.62.2
谷山村 38.61.5
(その他とも)総計 1,030.21.1

(注) (A)は明治16年「三田用水取調表」
(B)は「東京府村誌」(明治11年)による。