すでに、日清戦争前後に設立された品川銀行や大井銀行のその後の動きは、かならずしもあきらかでない点はふれた通りであるが(本巻二六六ページ)、それぞれが、関東大震災後に、森村銀行なり、麹町銀行に合併されてゆく。第一次大戦期のごく断片的な預金状況を示せば次表の通りである。なお、当時の大森町・入新井村・玉川村にあった諸銀行に比べて、最大の預貯金人員や預貯金額を示していたという。
銀行名 | 預金人員 | 預金額 | 貯金人員 | 貯金額 |
---|---|---|---|---|
名 | 円 | 名 | 円 | |
品川銀行 | 1,550 | 1,108,753 | 2,730 | 100,881 |
帝国貯蓄品川支店 | 3,381 | 760,720 | 10,663 | 241,528 |
大井銀行 | 4,149 | 435,270 | 2,439 | 103,385 |
注)『東京府荏原郡勢一覧』による。