星商業学校の誕生

434 ~ 435

大正十年、平塚村戸越の地(現星薬科大学の地)に星商業学校が設立された。この学校は星製薬社長、星一(はじめ)が作ったもので、一万坪の敷地(後一万一千坪となる)を持ち、五〇〇人を収容できる六棟の寄宿舎と、三〇〇人ほど入れる講堂を持つ大規模なものであった。ところで、この学校は一般の学校とは異なり、全国各地の星製薬の特約薬局から人を集め、医学・薬学・社会問題・政治問題等を教えることを目的としたものであり、長期在学の生徒の他に二、三週間の短期講習なども校舎を使って行なわれていた。つまり、薬販売業者の知的向上を目的とするとともに、星製薬のチェーン組織の強化にも役立たせる役割りを持っていたのである。大正十三年には鉄筋四階建ての円型をした堂々たる講堂が完成したが、これが現在の薬科大学の本館となっているものである。