他地区との人口増加の比較

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この時代の品川における人口増加が東京の他の地域と比較して、どのようなものであったかを知るために、当時の東京の人口密度図によって、その変化を年を追って眺めてみよう。

 第81図は、大正九年・十四年・昭和五年・十五年時の各国勢調査実施時における現都内の範囲を旧各区によって比較した密度図である(品川は旧品川区と旧荏原区)。


第81図 東京各区の人口密度変化図

 これを見ると、旧品川区は大正九年時すでに一・一万人を示し、旧荒川区とともに当時の郡部のなかではもっとも高い率を示しており、次いで大正十四年には旧荏原区が早くも一万人台に仲間入りをしているが、統計(第123表)でみると大正九年の一、四七〇人から一二、四六二人へと飛躍的な増を示している。また、昭和五年には荏原は品川を追い越して二万台(二二、七八五)に達し、昭和十五年には荏原は三万台(三二、四三一)、品川も二万台(二二、七六六)に達している。

第123表 東京各区の人口密度の年度別変化(国勢調査による)
区別 大正9年 大正14年 昭和5年 昭和10年 昭和15年
全市 5,863 7,174 25,498 10,293 11,834
麹町 7,933 6,808 7,090 7,286 7,068
神田 49,029 41,461 41,928 44,163 41,348
日本橋 40,583 33,709 34,557 36,497 32,621
京橋 28,095 23,582 25,840 28,832 27,841
20,827 19,941 20,425 22,157 22,235
麻布 20,657 20,505 20,176 20,479 20,784
赤坂 14,466 14,190 14,001 13,651 12,954
四谷 21,685 23,154 23,169 23,556 23,593
牛込 24,229 24,921 24,776 25,017 24,739
小石川 24,176 25,185 24,999 24,280 25,521
本郷 27,821 27,720 27,857 28,997 30,009
下谷 36,332 34,248 34,506 37,802 37,538
浅草 48,618 44,004 45,828 51,934 51,435
本所 39,475 31,907 36,248 42,865 42,127
深川 22,013 19,468 21,474 25,992 27,519
品川 11,076 15,764 17,663 20,105 22,766
荏原 1,470 12,462 22,785 27,907 32,431
目黒 1,513 4,279 7,348 10,332 13,496
大森 2,133 4,038 6,298 8,608 11,922
蒲田 1,312 2,640 4,500 6,660 11,413
世田谷 658 1,448 3,038 3,468 4,638
渋谷 9,005 12,440 14,015 15,410 16,844
淀橋 9,339 13,378 15,268 16,818 18,802
中野 1,895 5,537 8,705 11,576 13,895
杉並 531 1,935 3,946 5,578 7,198
豊島 8,280 14,935 17,848 20,212 23,545
滝野川 7,829 15,827 19,385 22,022 25,136
荒川 11,494 20,679 26,566 30,862 33,234
王子 3,415 5,347 8,006 10,704 13,786
板橋 663 1,010 1,656 1,870 2,889
足立 1,163 1,667 2,383 3,263 4,321
向島 8,274 15,470 19,972 23,966 26,496
城東 7,179 11,112 14,048 16,802 18,900
葛飾 773 1,381 2,361 2,954 4,277
江戸川 842 1,379 2,072 2,761 3,788

 

 これを見ると、旧荏原区の人口増加の趨勢は、東京の他地域に較べて飛びぬけたものであったことを物語っており、また旧品川区も、新市域のなかでは早くから市街地的な性格をそなえていたことを示している。

 次に、第124表の統計を見てみよう。この表は大正九年・十四年・昭和五年の、旧東京の市域並びに昭和七年時編入された新市域全体の人口、並びに品川(旧品川と旧荏原の合計)の実数と指数を示したものであるが、これを見ると旧市域が関東大震災後人口の減少をみているのに対し、新市域の人口は増加が顕著であることがわかるが、なかでも品川の指数は新市域のそれよりもかなり高い、品川の人口がこの時期に異常な急増を見せた事実を読みとることができる。

第124表 地域別人口の変化
年次 実数 指数
旧東京市 新市域 品川 旧東京市 新市域 品川
千人 千人 千人
大正9年 2173 1185 121 100 100 100
14  1995 2114 232 92 178 192
昭和5年 2070 2915 311 95 246 257