昼夜間人口

482 ~ 483

まず、昭和五年時の東京市域(新市制区の範囲)の昼間人口と夜間人口の地区別比較図を見てみよう。この図を見ると、当時昼間人口が夜間人口を上まわっていた地区は、都心部の麹町・神田・芝区をはじめ、旧市域の九区であり、他の地区はすべて一〇〇%以下の地域となっている。そのなかで旧品川区は九〇~九九%に含まれ、旧荏原区は八〇~八九・九%に入っている。

 九〇~九九・九%という比較的人口流出の少ない地区は、旧市域内の都心周辺区、および城東や板橋などの諸地区などで、城南に少ないが、品川は城南のうち、これに属する唯一の地区となっている。ところで、この比率は毎日の人口流入と人口流出の差で表わされるので、比率は同じでも、流入・流出ともに少ないものと、ともに多いものとの二つの型に分けられる。城東方面の足立や江戸川地区やまた板橋などは、当時まだ農村的色彩の強いところであったので、その前者の型であり、旧市域内の諸区や品川は後者に属している。すなわち品川は一日に約二・八万の人が他地区に流出し、いっぽう一・七万の人口を移入しており、その結果としての比率がこのように表わされているわけである。その点から見て品川は当時旧市内の周辺区的な性格をすでに持っていたことを示しているといえよう。


第89図 昭和5年の昼間人口と夜間人口の比率による各区比較図