旧大崎町を主体とする地域で、目黒駅・五反田駅周辺の商店街がその中心である。この地区の商店の業種別の比率は、卸売業が一四・四%、飲食店四〇・五%で(昭和四十三年)、品川区平均の一一・二%、三〇・五%に較べるとかなり高く、それに対して小売業の比率が低いことが特徴である。とくに最近の小売業の動きを見ると、昭和三十七年から四十三年の間に、一七・五%の減少をみせている。これはこの地区の人口の減少がかなり激しく、それに伴って飲食料品などの最寄り業種が振わなくなったことに関連がある。
目黒駅前商店街は駅前にステーションビル・目黒ターミナルビルが建設されて以来その様相が大きく変化している。これらのビル内商店と、目蒲線駅にある東光ストアーがその中心となっており、主として国電から目蒲線・バスへの乗換客を相手とした買回り性や、飲食・娯楽性の強い商店街である。
五反田駅周辺はこの地区最大の商店街であるが、最近のビル建造ラッシュによって、駅付近はオフィス街化の傾向が強く、銀行・保険会社等の金融関係の施設が多い。そのため、商店の分布は面的に散在している欠点をもち、武蔵小山や大井町に較べると、地域核心的な要素に欠けている。それに対して飲食店・サービス業などの業種が多く、歓楽街的な性格を強くもっている。
いっぱんにこの地区の住民は交通の便利なこともあって、衣料・洋服類や贈答品など買回り品の購入は、銀座や渋谷・新宿など、区外の繁華街にたよる傾向が強い。