旧荏原区の東半部をしめる地域で、主な商店街は戸越銀座・荏原中延および中延駅・戸越公園駅周辺の三ヵ所であるが、なかでも戸越銀座の商店街は歴史も古くもっとも大きい。この地区は中小工場と住宅が混在した地域で、人口密度は一平方キロ二万人と超過密の状態である。商店の業種は飲食料品三二・一%、飲食店二一・一%、織物衣服類一一・五%となっており、最寄り商店街としての性格が強い。したがって、住民の買物動向も食料品のほとんどはこれら最寄りの商店で購入し、日用品や雑貨類も七〇%ほどは地区内でもとめている。しかし、洋服・家具器具類などになると、武蔵小山への依存度が強くなり、贈答品では大井町阪急デパートの吸引力が強くなる。また、最近は都営地下鉄の開通によって都心部との交通が便利となったため、銀座・日本橋への買物客が増加していることも、地元商店街にあたえる影響が大きくなっている。