弥生の遺跡
この時期に入って、ようやく品川区にも弥生文化の遺跡が姿を見せるようになる。東五反田五丁目の旧池田侯爵邸内より出土した壺形土器がそれの資料である。その土器は、出土状態など不明のまま、東京大学理学部人類学教室に所蔵されている。また、居木橋貝塚の近傍より小規模な後期の遺跡が発見されている。
第21図 東五反田出土弥生土器実測図(実物の約1/2.7)
品川区に弥生文化の遺跡が少ないことは、その立地条件が適していないということとともに、遺跡地が後世開墾され、さらに人家が密集してしまったということを考慮しなければならないであろう。