品川区域の特殊上納物

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 品川区域の村々はこのほかに江戸城で使用される様々な虫草類を上納していた。その品目をあげると、螻虫(けらむし)・みみず・生たんぽぽ・螢・赤蛙・松虫・鈴虫・えびつる虫・よもぎ・はこべ・杉の葉などである。螻虫は江戸城内で飼われている小鳥の生餌に用いた。生たんぽぽや赤蛙に食用である。杉の葉は蚊遣(かやり)(蚊を追い払うために焚く)に用いた。これらの品々は村々に割りあててとり集められ、指定の日時に馬喰町の鷹野屋敷へ納入された。だいたい早朝までに納品しなければならなかったので、村を出発するのは真夜中であった。