三新法体制のもとで明治十三年以来開設されてきた町村会は、町村制の実施により新たな制度のもとに再出発した。今回の制度の特徴は、町村会に二級選挙制を採用したことであった。つまり町村税の総額の半分を納める人びとによって議員の半数が選ばれ、残りの議員半数がその他の人びとによって選ばれるという仕組みであった。それは市制・町村制理由書で制定者が「資産アル者ニ……相当ノ権力ヲ有セシムル」とか「細民ノ多数ニ制セラルヽヲ防グ」と述べているように、町村の有力者支配の制度にほかならなかった。
町村会と二級選挙制
三新法体制のもとで明治十三年以来開設されてきた町村会は、町村制の実施により新たな制度のもとに再出発した。今回の制度の特徴は、町村会に二級選挙制を採用したことであった。つまり町村税の総額の半分を納める人びとによって議員の半数が選ばれ、残りの議員半数がその他の人びとによって選ばれるという仕組みであった。それは市制・町村制理由書で制定者が「資産アル者ニ……相当ノ権力ヲ有セシムル」とか「細民ノ多数ニ制セラルヽヲ防グ」と述べているように、町村の有力者支配の制度にほかならなかった。