表現の特徴

 今回注釈を施した語は、着物(和服)や髪(日本髪)に関するものが比較的多かった。本書成立の昭和二(一九二七)年時点では、何の説明も必要とせず理解できた事柄であろう。他に語られている材料(旧国名や調度品の名前)とともに、江戸時代が連続している感じを受ける。
 また、子どもたちの「遊び」が変容し、伝承されていないこともわかる。本書の中に、タイムカプセルのように保存されているわけである。当時としては、望むべくもないが、CDやDVDで、音声や画像が記録できればと思わずにはいられない素材も多い。(本書所収の謡について、実際に謡って聞かせてくださる方があるならば、その記録保存は、急務である。