別所温泉は古くから大湯、雉子湯、玄齋湯、大師湯、籠り湯、石湯、久我湯の七カ所に湯が湧き、「七苦離(ななくり)の温泉」といったとあります。このあとは、日本武尊東征からの日本古代史と別所温泉にかかわる伝承を詳しく述べています。
別所温泉を古代から「七久里の湯」と呼んだことを、和歌や清少納言の『枕草子』などから説き起こしています。さらに、筑摩郡や伊那郡、高井郡などにも「七久里」と呼ばれる湯があるが、「此別所温泉を當国七久里の温泉なりと傳稱したれば他に反證なき限り」としています。現在も別所温泉は別名を「七久里の湯」と呼んでいます。