[凡例]

1)刊本『源氏百人一首』を紹介する。

2)底本として上田市立上田図書館花月文庫蔵『源氏百人一首』(目録:百人一首・5)を用いた。同本は天保十二年(1841)刊の大本一冊(タテ25.8㎝×ヨコ18.0㎝)。

3)本書所載の序文、惣論、和歌本文、頭注、奥付の全文を翻刻した。ただし、巻末の出版目録(二丁半)については、割愛に従った。刊本に付された出版目録は近世期の出版事情を知るための資料として有益であることを付言しておく。

4)翻刻は、以下の方針によった。

・原文の表記に忠実であることを旨として、仮名遣いはそのままとして訂していない。

・助詞等のハとニは、「は」、「に」と仮名表記に改めた。

・漢字表記は原則として底本の用字によった。一部、「餘」→「余」と通行字体に改めた箇所がある。

・読み仮名(ルビ)については、( )で記した。煩雑を避けるため、適宜、割愛した。

・ヲドリ字について、ゝ、ゞは本文のままとした。/\・/″\(くの字点)は仮名の場合は「つれ/″\」→「つれづれ」などとし、漢字「人/″\」などは「人々」とした。

・底本には句読点が付されていない。適宜、私に読点を付した。

・引用されている和歌は「 」で括った。

5)作者名については底本の表記のままとし、( )内に底本の表記に基づいた読みを現代表記で示した。

6)作者名に01から123までの通し番号を付した。

7)頭注を底本のままの表記で示した。読み仮名(ルビ)については、上に同じ。

8)【歌意】として一首の意味を直訳的に示した。所載歌は物語中に用いられたもので、場面、相手(人物)などの詠出状況を考慮して理解する必要がある。詳しくは源氏物語本文に拠って鑑賞されたい。

9)和歌本文に異同がある場合、*源氏本文では第二句「生ひゆくすゑも」などと示した。