1)刊本『後撰百人一首』を紹介する。
2)底本として上田市立上田図書館花月文庫蔵『後撰百人一首』(目録:百人一首・66)を用いた。同本は文化四年(1807)刊の大本一冊(タテ26cm×ヨコ17.5cm)。
3)本書所載の序文、和歌本文、頭注、跋文、奥付の全文を翻刻した。本書には巻頭に「建保六年八月中殿御会」の図(彩色)がある。御会参加の歌人が描かれ、中に「定家卿五十七」などと記載されている。歌人名等については割愛した。
4)翻刻は、以下の方針によった。
・原文の表記に忠実であることを旨として、仮名遣いはそのままとして訂していない。
・助詞等のハとニは、「は」、「に」と仮名表記に改めた。
・漢字表記は原則として底本の用字によった。
・読み仮名(ルビ)については、煩雑をきわめるため、適宜、割愛した。
・ヲドリ字について、ゝ、ゞは本文のままとした。/\・/″\(くの字点)は仮名「いろ/″\」などは「いろいろ」とし、漢字「人/″\」などは「人々」とした。
・底本に付されている読点をそのままに付した。
・引用されている和歌は「 」で括った。
5)作者名については底本の表記のままとした。
6)作者名に01から100までの通し番号を付した。
7)頭注を底本のままの表記で示した。読み仮名(ルビ)については、上に同じ。
8)【作者】として作者名を記し、( )内に底本の表記に基づいた読みを現代表記で示した。併せて略伝を付した。
9)【歌意】として一首の意味を直訳的に示した。鑑賞の参考とされたい。
10)【備考】として勅撰集等の所載歌集名を記し、部類、歌番号等を付した。