蓮誓の代に土山から移転した、高木場(高窪)道場は、住職実玄(一四八六~一五四五)の代、永正十六年(一五一九)の炎上により失われるが、その後、安養寺(現・小矢部市)に移転再興し、同年、本願寺實如より本尊、真影、「親鸞聖人伝絵」(一-七)を下付された。この絵伝裏書に、「釋実如(花押)/永正十六年已/卯十一月十日書之/越中国利波郡蟹谷庄内/大谷本願寺親鸞聖人惇繪/安養寺村勝興寺常住之物也/願主釋實玄」とあり、従来の土山坊ではなく、寺号を勝興寺としたことがわかる。
勝興寺のもっとも尊重されるべき宗教的遺物、霊宝である。
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