3.分類の区分

36 ~ 37
 本年表は,筑豊地域を主体とする石炭礦業史の年表である.その構成は,<全国石炭関係>・<生産・流通>・<企業・労働・災害>・<地域社会>の4欄に分け,別表のように区分した.すなわち,筑豊の石炭礦業の趨勢に関する項目を中央に置き,左右に全国石炭事情と筑豊を中心とした地域社会の動向を配して,各欄それぞれの特色を持たせながら相互の関連に留意した.
(別表)
全国石炭関係
    (註1)
筑豊石炭関係(1830年~1887年) 地域社会
  (註2)
生産・流通 企業・労働・災害
  • 石炭礦業に関する法令および政策
  • 全国炭礦趨勢一般
  • 石炭需給事情
  • 炭礦企業および関連産業
  • 石炭礦業関係諸団体の動向
  • 全国および地方労働者団体の動向
  • 国内石炭事情と関係のある国外石炭事情
  • 炭礦趨勢一般(試錐・開坑,着炭,休・廃山など)
  • 鉱区異動(合併・譲渡)
  • 石炭需給事情
  • 石炭輸送事情
  • 技術(採・試掘にともなう炭礦機械の導入,技術開発など)
  • 炭礦企業,同業者団体の動向
  • 労資関係一般
  • 労働条件および福利厚生
  • 労働運動
  • 炭礦災害
  • 鉱害事情
  • 保安対策
  • 炭礦関係人物
  • 炭礦における風俗,社会事件
  • 筑豊における主要な社会的事項
  • 筑豊に関係ある県下主要事件
  • 筑豊石炭礦業の趨勢に関係のある事項
  • 筑豊の趨勢に密接な関連をもつ全国的な事項

註1 本欄の事項は,あくまで概括的な全国石炭礦業の趨勢を示すにすぎない.また,この場合<全国>といっても地域的な偏差があり,北海道・常磐の炭田地方より九州(三池・高島・杵島・北松および唐津など)・宇部の地方がやや詳細である.<国外石炭事情>は,主に東アジア地域での石炭需給事情のことであり,それに旧領土であった<樺太>・<朝鮮>・<台湾>および<満洲国>の動向が,若干加えられている.また,戦後については石炭合理化事情,その他項目としてはあげていないが,石炭需給と密接な関係をもつ産業(鉄鋼・石油・ガス・電力)事情も,極めて簡略ながら採録している.

註2 本欄の地域社会とは,筑豊を示す.そのため,本欄記載の事項は,筑豊の地域社会が石炭礦業とどのようなつながりを持ち続けてきたかに注視している.本欄の事項は,あくまで筑豊石炭礦業との関連事項であり,それに筑豊地方と深い関係を保ってきた北九州工業地帯の動向を若干つけ加えた.本欄収録の事項のうち,石炭関連企業・鉱害は,<筑豊石炭関係事項>と交錯する部分が多い.