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昭和三七(一九六二)年末から昭和三八(一九六三)年一月にかけて降った大雪は〝三八(サンパチ)豪雪〟といわれ、今でも冬になると年配者では話題になります。
もともと温暖な地である九州では、冬場降雪は見られるものの北国のように冬空が続くことは少なく、大雪と言えば数日間で積るいわゆるドカ雪ですが、この年は一か月にわたって雪雲が停滞し、さながら雪国のようでした。
飯塚在住の私でしたが、親戚のある田川へ列車で出かけた際、後藤寺線上三緒駅で見かけたのがなんとラッセル車でした。おそらく日田彦山線あたりで活躍したものと思われます。実際この年、採銅所駅ではホームの高さの積雪があったといいますから、七〇センチ以上は積もっていたことでしょう。生活にも支障をきたすような大雪でしたが、スキーヤーや登山客は大喜びで、彦山駅はもちろん乗換駅の後藤寺駅(田川後藤寺駅)はスキー板を抱えたお客さんであふれていました。
南国とはいえ、福岡は東北や北陸の日本海側と同じ気候なので冬場の積雪は当たり前ですが、この年のように連日の大雪はまれにみる異常気象だったと思います。
(平田和幸)