【関連地域】糸田町
金村神社拝殿の天井に十五枚の絵がはめ込まれています。これは「金村神社天井絵」といって、四〇cm真四角の杉板の材料に虎・猫・鳥などの代表的な動物の絵や、花菖蒲(はなしょうぶ)水仙等の草木画が色彩鮮やかに描かれています。また中国や日本の故事をもとにした天井絵も三枚ほど描かれています。
特に、拝殿正面から見て一番左の花菖蒲が描かれている天井絵には、「文久癸亥夏日応需写梅逸仲野南耕(ぶんきゅうみずのといおいじつもとめにおうじてうつすばいいつなかのなんこう)」という文章に署名と落款(らっかん)が押してあり、意味は「文久三年夏日(=吉日)に需もとめに応じて写した。梅逸(ばいいつ)(仲野(なかの)・落款(らっかん))南耕(なんこう)」という内容の文章です。
他では木ノ実神社、田川市岩亀八幡神社、大任町野原八幡神社にあり、これらのものと並び田川を代表する天井絵です。
この天井絵は、平成四(一九九二)年七月三日に町指定文化財第一号に指定されました。
(岩熊真実)