〔発刊のことば〕
高根沢町史編さん事業は、平成元年四月町制三十周年記念事業の一環として進めてまいり、これまでに史料編三巻(原始古代・中世、近世、近現代)及び通史編Ⅱ(近現代)の四巻が刊行されました。
このたび通史編I『自然・原始古代・中世・近世』の発刊により、町史の歴史編の編さんが完了いたしました。町の歴史の歩みを、わかりやすくまとめた通史編二巻の完成を、町民の皆様とともにお慶び申しあげます。
本書には町の生活基盤である自然環境すなわち地質、地形、気候、動植物の分布と、そこに営まれた数千年に及ぶ人々の生活―旧石器・縄文から奈良・平安にいたる時代、宇都宮氏を中心に武士たちが活躍した時代、宇都宮藩・一橋家・旗本などに治められていた江戸時代の農村生活―が史料に基づき詳細に描きだされております。
二十一世紀を迎えるにあたり、多くの町民の皆様が本書をお読みになり、高根沢町の歴史を再認識して、新しい時代に生きる糧としてご利用くださることが、本書及び町史編さん事業を生かす最良の道かと思います。どうぞ、じっくりとお読みいただきたいと存じます。
最後に、発刊にあたり貴重な史・資料等を快くご提供くださいました皆様と関係各機関並びに執筆にあたられました諸先生方に心から感謝を申しあげて、発刊のことばといたします。
平成十二年三月
高根沢町長 高橋克法