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二 夏(六月~八月)

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 気温はさらに上昇を続け、六月上旬には最低気温でも一五度以上になり、夏日も一一日と多くなって一気に夏に入ってくる。しかし、六月九日前後には東日本一帯が梅雨に入り、七月二〇日頃の梅雨明けまで約四〇日間続く。この期間は曇天や雨の日が多く、日照時間も極端に減って年間の最低を記録する。当然気温の日変化も少なく、時にはオホーツク海の湿った冷たい気団が優勢になって気温を下げ、一〇度以下の日もあって肌寒さを感じさせる日も出てくる。このような日が長く続くと低温による農作物の被害が出る。また、梅雨前線上を次々と低気圧が通り、大雨を降らせることも多い。月別に見た降雨日数は一年間の中で最も多く二〇日もあり、台風期に次ぐ年間月別第三位の一九〇ミリ前後の降水量がある。
 七月の下旬、学校が夏休みに入る頃梅雨が明け、気温も急上昇して連日の夏日・真夏日の到来となり一気に真夏に入ってくる。
 八月に入ると気温はさらに上昇し、平均気温・最高気温・最低気温のすべてが年間の最高値を示し、二〇日間ほどが真夏日となって異常高温が続くことも珍しくない。また、強い日差しが山間部に積乱雲を発生させるのに伴って起こる熱雷が、激しい雷雨となって襲ってくるのもこの頃である。栃木県における雷雲の発生場所は八溝、那須、高原、日光、足尾等があり、さらに県南地区を襲うものとして赤城があるが、本町に来襲するものは主として高原・日光に発生するものである(7図)。規模の大きい雷雨の時には雹を降らせることもあり、農作物に大きな被害を与えている。
 最近の例では平成七年八月一〇日の雷雨の時に直径が一〇ミリの大きな雹が降った記録がある。さらに八月には二~三個の台風が接近し、豪雨を降らせ、農作物に大きな被害を与えている。台風による雨や連日の雷雨によって、八月の降雨量は二五〇ミリに達する。台風による豪雨で一日に降った最大のものは、昭和六一年八月四日に来襲した台風一〇号によるもので三三一ミリという未曾有の大雨となり、冠水や倒伏など農作物に多大な被害を受けた。なおこの豪雨は大洪水を起こし、茂木町を一瞬のうちに流したことは記憶に新しいものがある。

7図 雷の主な経路と雹害の起こりやすい地域