八月も下旬になると気温の上昇は止まり、九月になると最高気温が三〇度をこえる真夏日は、八月の一九日に対しわずかに五日間となる。上旬の残暑が残る内に秋雨前線が活動を開始し、曇りや雨の日が多くなり、日照時間は一〇〇時間程度となる。この秋雨前線に添って台風も通常二~三個接近し、秋の長雨と台風による雨とで年間最高の二九〇ミリ前後の降雨量があり、豪雨による被害も少なくない。九月も下旬になると気温は急速に低下するようになる。
一〇月になると最高気温でも二五度をこえる夏日は月初めに二日程度で、下旬になると最低気温は一〇度以下になる。また下旬になると穏やかな日本晴れの日が続くようになり、夜間は冷えて初霜が見られるようになる。男体山に初冠雪が見られるのもこの頃である。なお本町における初霜は早い年で一〇月一三日(昭和六三年)、遅い年で一一月六日(昭和六二年)で、平均して一〇月二五日頃となっている。
一一月になると、乾燥して冷たいシベリア気団が発達して日本付近をおおうようになり、木枯らし一号の襲来と共に北よりの冷たい風が吹き始める。この風と共に気温はさらに下がり続け、最低気温も零度以下が現れるようになって冬日が八日も観測されるようになる。天気も安定し、日照時間も一七〇時間をこえるようになり、しだいに空気も乾燥してくる。