天候は日常生活に大きな影響を与えている。特に、農業生産が生活の中心になっていた時代にはなおさらのことである。現在のように詳細な天気予報が得られなかった時代には、自らの生活をとおして天候の変化を体験的に会得していた。それが長い間の人々の生活の中でことわざとなり、現在に伝えられている。
かつて、小・中学生をとおして調査した言い伝えの中から、郷土に残っている、天気に関するものの一部をあげると次のようなものがある。
・朝の雨と女の腕まくりはたまげるな ・東風が吹くと天気が崩れる
・朝霧(朝露)の日は晴れる ・飛行機雲ができると天気が悪くなる
・朝焼けは雨、夕焼けは晴 ・夕立は馬の背を分ける
・お月様(太陽)が笠をかぶると雨 ・夕立三日
・雷が三つ鳴ると梅雨があける ・そばの背が伸びる年は大雪が降る
・六月霜は日照りのもと ・鳥の巣の高い年は大水が出る
・汽車の音が近くに聞こえると雨 ・くもの巣が縦に張ると雨になる
・西が曇れば雨が降る ・あかぎれが痛むと北(西)の風が吹く
・西の虹は七日の荒れ ・雪の明日ははだかむしの洗たく
・猫が顔から耳まで顔洗いをすると雨 ・暑さ寒さも彼岸まで