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東部丘陵地帯の植物

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 町内東部を伏久から桑窪へ南下する市の堀用水路の東側高台で、水田地帯との高度差は四〇乃至五〇メートルの丘陵帯である。スギと落葉広葉樹がほぼ半々くらいの割合で分布し、その中に住居が点在または宿場をつくっている。住居を囲むようなスギ林は、むしろ屋敷山と呼ばれる防風林ででもある。そのスギ林内にはシラカシ、ヒノキ、ミズキ、モミ、ネムノキ、ケヤキ、クリなどの高木が混じっている。亜高木および低木はアオキ、ヒメコウゾ、コクサギ、シラカシ、ヒサカキ、イヌツゲなどがみられた。最初は植栽されたと思われるマダケ、モウソクチクなどか林内に逸出をみせオカメザサ、スズダケのタケ科植物もみられた。草本の主なものにベニシダ、オタマワラビなどのシダ植物、ヤブコウジ、シャガ、ウド、ミズヒキ、シンミズヒキ、モミジガサ、ウワバミソウ、ヤブマオ、ムカゴイラクサなどがみられた。

27図 ササバギンラン

 落葉樹林は主体がコナラで高木はクリ、クヌギ、エゴノキ、リョウブ、アカシデ、イヌシデなどで一部アカマツも混じっている、亜高木および低木ではヤマハンノキ、ヤマナラシ、ツノハシバミ、ヌルデ、ヤマウルシ、ヨグソミネバリ、アサダ、コバノガマズミ、クロモジ、オトコヨウゾメ、ダンコウバイ、コアジサイ、ヤマツツジなど。草本ではキンラン、ササバギンラン、サイハイラン、クモキリソウなど数少ないラン科植物もみられた。その他シュンラン、ハンショウヅル、タカトウダイ、エイザンスミレ、ヒナスミレ、マルバスミレ、フイリフモトスミレなど多くの種類がみられた。フイリフモトスミレでは葉の中央に直線の白斑のはいるものと網目模様の二つのタイプがみられた。