29図 マンリョウ
林道、河岸や原野にみられた。別名セイタカカゼクサ高速道路の砂防用に植栽されたもので、稈(茎)や葉が細く長くたれていて風が吹くとなびく、その草姿から観光バスのガイドさんはオトメススキとか、英語直訳のススリナクコイノクサ(すすり泣く恋の草)などと紹介していた。帰化植物。
人家近くのスギ林内には、庭木として植栽されていたものの実が小鳥などによって運ばれて逸出しているものが目立った。ナンテン、ヒイラギナンテン、マンリョウ、センリョウ、シュロ、ヒイラギ、フイリアオキなどが多く草本ではオモトが多い。近年盛んに栽培されてきたオユマタタビ(一般にキウィーと呼ばれるもの)など意外に多くみられた。スギ、ヒノキの植林は栽培で野生にはあたらないが、その林縁にたくさんの実生の幼木がみられるがこれも逸出植物にあたる。
逸出植物か元よりあったものか判定できない場合もよくある。亀梨地区でみられた「ムベ」アケビ科は、庭木として植栽されていたものの種子が小鳥などで運ばれたものか、自生していたものの種子が運ばれて育っているのがわからない。ムベは暖帯から亜熱帯にかけで分布する植物で本県内の自生は極めて少なく、近くでは益子町高舘山にみられる。栽培品から種子が運ばれたものなら逸出植物。自生品から小鳥などによって種子が運ばれたと考えられれば逸出植物ではなくなる。
フイリアオキも杉林下に割合にみられたが、通常山林内には緑一色のアオキが自生していて斑入りはみられない。反面庭木はほとんどがフイリアオキでたくさんある、したがってフイリアオキは逸出植物とみるのが妥当であろう。