有舌尖頭器は、中型で薄手の石槍で、基部に舌を突き出したような突出部をつくり出しているところからこの名がある。突出部は柄に刺し込む中茎で、投げ槍ないし矢の用途で使われたようだ。細身で長いものから寸が詰って菱形状のものまで各形態があるが、しだいに石鏃へ移行していくとされる。矢の祖形である。
この二つの文化は、草創期の隆起線文・爪形文土器文化と併存するが、土器を伴わずに発見されることも少くない。旧石器文化の遺風をひきずりつつ、まだ縄文文化に移りきっていない文化といえる。いま、この段階を旧石器から縄文への過渡期の文化と捉え、「架け橋の時代」と呼ぼう。発見例はきわめて少いので、県北に枠を広げて概容を眺めたい。
13図 草創期の石器
1.局部磨製石斧・川木谷遺跡(1/4) 2.石槍・治武エ門遺跡(1/2)