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大規模な集落

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 一九七七年、上高根沢の上の原遺跡が本田技研工業株式会社の自動車テストコースにかかるため、日本窯業史研究所が発掘調査を実施した。調査地点は宝積寺台地の東側縁辺に位置し、コース以外の部分は現状で保存されるため、コース幅一八メートル、長さ一六〇メートルの約三,〇〇〇平方メートルが発掘調査の対象となった。「上の原ムラ」をほぼ環状の集落と考えると、その中心を帯状に調査したことになり、集落の全体の四分の一ほどの面積とみられる。上の原ムラは中期中頃を中心におよそ三〇〇年間営まれた集落跡で、竪穴住居跡一九軒、土坑一六七基などが発見された。この調査は同じ年に発掘調査が実施された県北の西那須野町槻沢遺跡とともに、県内最初の大規模な縄文集落の調査として注目されている。