17図 推定東山道と発掘調査された遺跡
県内において東山道と考えられる「道」の遺構が発見された遺跡は、県央部を中心にして、都に近い位置から、北台遺跡(国分寺町)、諏訪山北遺跡・三ノ谷遺跡(南河内町)、杉村遺跡・上野Ⅰ・Ⅱ遺跡(宇都宮市)、釜根遺跡・日枝神社南遺跡(河内町)、南原遺跡(氏家町)、厩久保遺跡・新道平遺跡(南那須町)の一一カ所にもなり、検出された道の遺構の総延長は一二キロ余となる。これらの遺構は、駅家間では三鴨駅、田部駅、衣川駅、新田駅、磐上駅の五駅間で発見されていることとなった。これらの調査された遺跡から検出された道路跡は、今後の検討をまたなければならない部分を多く含む点はあるが、路線は、低湿地は埋め立て、丘陵は切り開いて直線的に、また、路面は中央部が盛りあがり道幅は六~一四メートル前後で側溝を持っている。
使用された期間は八世紀から一〇世紀にかけてと考えることができる。さらに、道は作り変えられたり、改修されていることも判明している。多大な労力により東山道が直線的に作られた理由については、道の軍事的性格が色濃く反映されたためであると考えられている。