「村明細帳」には、鍛冶屋・大工・表具屋・木挽などの技術者の存在が記されていることがある。高根沢町域の村々では、次の三村で確認できる(史料編Ⅱ・九、二二、六九、八六頁)。
寛延二年(一七四九) 上高根沢村 指物屋 一人、大工 二人
安永四年(一七七五) 石末村 木挽 二人
天明七年(一七八七) 宝積寺村 大工 二人、絵図師 一人
慶応元年(一八六五) 同村 大工 三人、杣取 一八人
このように農村に居住しながら、農業以外の職で渡世している者も、少数ではあるが、存在していたのである。