宝積寺興業銀行を合併した喜連川銀行は、明治三二年に設立され、喜連川町に本店を置いた。資本金は設立時の五万円から五回の増資後大正一〇年には二二〇万円まで引き上げられた。役員は有力地主・肥料商などにより構成され、その中に熟田村大字飯室の鈴木良一が取締役として経営に参加していた。支店も氏家・熟田・荒川・江川・宝積寺・南高根沢・小貝・城山と八支店を設け、堅実な経営を展開した。
喜連川銀行も宇都宮・鹿沼・下野実業・烏山産業・今市銀行とともに、一四年の下野中央銀行の設立に参加し、解散した。
図19 宝積寺興業銀行の元の建物