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高等小学校の設置

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 高等小学校は、尋常小学校における教育を進めて、国民として必要な初等普通教育を完成する場とされた。
 本県における高等小学校は、各郡内を幾つかの高等小学校経費負担区域に分け、一区域に高等小学校一校を設置し、郡長が管理することとした。また区域が広く通学ができない地域には、分校を置くことも認められた。本町域には、氏家宿に設置された塩谷郡第三高等小学校の分校が、明治二二年、北高根沢中部(太田)尋常小学校に併置され、塩谷郡第三高等小学校太田分教室とよばれることになった。
 上高根沢村は、小学校令公布をうけ、明治二〇年五月、高等小学校の設置を県知事あてに願い出た。それによると、村が郡の極南に位置し、地形は不便ではあるが、財産は充分にあり、校舎は明治一八年に新築し、教室は広く、増築する必要はないこと、経費は村のみで負担すること等をあげている(史料編Ⅲ・一〇五二頁)。しかしながら、前述のように県全体を見回して二〇校を設置したばかりであるためか、許可は下りなかった。
 ちなみに本町域に設置された高等小学校は、次の三校である。
 
・明治二二年 塩谷郡第三高等小学校太田分教室 のち 明治二六年北高根沢尋常高等小学校
・明治三七年 阿久津高等小学校 のち 明治四一年 阿久津尋常高等小学校
・大正六年熟田尋常小学校に高等科併置 同時に校名を熟田尋常高等小学校

図75 代用教員賞金授与証(栗ヶ島 渡辺章一家蔵)