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小学校令の改正

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 明治二一年四月に市制・町村制が、二三年五月に府県制・郡制が公布され、それに伴い小学校令は同年一〇月従来のものが廃され、改めて新しい小学校令が公布された。
 全文は九六条からなり、小学校制度を細部にわたって詳しく規定している。制度上では、地域の状況に応じて、尋常小学校を三年または四年制、高等小学校を二年・三年または四年制とし、最低三年間の尋常小学校を義務就学期間とした。また補習科及び専修科を設置し、実業補習学校を小学校の種類とした。
 この小学校令の最大の特色は、その第一条において小学校教育の目的を明示したことであった。「小学校は児童身体の発達に留意して、道徳教育及び国民教育の基礎ならびにその生活に必須なる普通の知識技能を授ける」というこの規定は、以後昭和一六年(一九四一)の「国民学校令」まで約五〇年間改正されることなく存続した。
 なお、この小学校令が改正された後の明治三一年と三二年の就学率は、表39のとおりである。本町域の就学率は、塩谷郡内でも概して高い数値を示し、県の平均を大きく上回っていることもわかる。
 
表39 塩谷郡各町村における児童就学率(明治31年・32年)

町 村 名
学齢児童総人員学齢児童就学率(%)
明治31年4月明治32年4月
矢板町841 906 81.7986.07
泉村380 370 72.9274.00
箒根村395 382 76.6680.64
塩原村99 102 72.3097.00
三依村53 55 59.6148.14
栗山村138 123 36.7854.79
藤原村128 126 54.1265.56
舟生村238 212 66.0068.00
玉生村215 217 63.8568.06
大宮村350 347 71.9284.36
氏家町493 498 64.4268.20
喜連川町870 688 69.5674.39
片岡村378 256 85.8078.20
阿久津町427 337 71.5074.80
熟田村245 212 60.7883.00
北高根沢村521 507 87.0085.20
栃木県86,66773,79964.8169.69

下野私立教育会雑誌第165号 明治32年12月25日発刊から作成