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本田の代かき

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 苗を植える本田の代かきは、田植えまでに三回ほど行われる。代かきは馬に馬鍬を引かせて土を砕く作業で、最初がアラシロ(荒代)ともアラクレカキともいい、水を入れて馬鍬で縦横二回ずつ掻いて行き、田の土塊を細かくして行く。つぎに、イワシの〆粕や骨粉を振ってから、さらに馬鍬で二回ずつ代かきをする。これをナカシロ(中代)という。最後がウエシロ(植代)で、金肥(硫安やカリなど)を振ってから馬鍬で二回ずつ掻き、最後にナラシ棒やナラシ板で平らにする。なお、植代で使う馬鍬は歯の細かい物を使った。また、湿田の代かきは馬が入れないため、もっぱら人力で田万能を使って耕した。また、田うないや代かきに使う馬は自分の家の馬を使うのが一般的であったが、ない場合は馬を借りて行った。その際馬一頭に対して人二人分といわれ、二人分の労力で返せない場合は、金で返した。

図20 代かきの仕方


図21 馬鍬で代かきをする