一番取りが終わったあとで追肥として硫安を入れるが、この時にフゴオケ・フゴザルに肥料を入れて撒いた。田の草取りは、半夏半作といわれ半夏前に取るものだといわれた。二番取りは七月一五日頃で、除草機を使って草を取った。また、この間にヘトリ(稗取り)もしなければならなかった。二番取りの前に「花肥」といって花の咲く前を狙ってアンモニアやカリンサンなどの追肥をする。三番取りを行う家もあったが、一般の農家では忙しく、なかなかできなかったという。
また、田の水の状態を見るために水の見回りは欠かすことができなかった。特に水持ちが悪い田んぼや高低差のある所では、一日に二~三回は見回ったという。そして、土用の丑の日前後にナカボシ(中干し)といって、いったん田の水をあげドヨウボシ(土用干し)を行う。その後、二百十日には水切りといって、用水の堰を止め田の水を完全にあげる。
図31 除草機による草取り