このようにして地表が平になると、鍬でウネタテ(畝立て)となる。鍬は風呂(鍬の刃を付ける木製の台)の付いた鍬で古くはツルックワといわれる風呂鍬が使用されていたが、昭和一〇年頃から茨城県の水戸で作られた水戸鍬が使われるようになった。これらの鍬は鋭角に刃がついているため、腰を曲げての作業で骨が折れたが、刃が長いため能率が良かったという。この鍬で畝間一尺八寸程度に畝を立てる。この際、コテナワ(綱)を張って、直線的に畝を立てるのであるが、畝立ては夫婦二人で一日に六反歩程度の畝を立てることができた。
図39 フリマンガ(町歴史民俗資料館蔵)