ビューア該当ページ

麦踏みから草むしりまで

53 ~ 53 / 766ページ
 一回目の麦踏みは一一月上旬~下旬に行い、畝二本をまたぐようにして、前進しながら踏んで行く。麦踏みは根が霜柱によって凍って浮くのを防ぐとともに、根を丈夫にし、分結を促進させる役目を果たした。以前は、地下タビを履いて踏み、嫁などは子どもをおぶって重くして踏んだものである。昭和初期頃から人力によるローラーで麦踏みが行われるようになった。
 その後、土入れとなるがジョリンで土を撒くように入れる。土入れが終わると、鍬で北側から片ギリ、除草を兼ねた中耕となる。これをヒナタトリといった。年が明けて二月上旬に二回目の麦踏みとなる。麦踏みの後二回目の土入れを行う。
 三月も下旬ともなるとそろそろ草が生えてくる頃で、カギッコやコギリガマを使ってムギコロシ(スズメノテッポウ)を取ったが、身をかがめての草むしりは重労働であった。