一一月末から翌年の一月末にかけて枝の剪定が行なわれる。枝が込み合うと、その部分にズイが伸びて、花芽に日が当たらなくなるため、込み合っている枝を剪定バサミで切り、棚全体に平均的に枝を張るようにするもので、大事な作業である。この剪定が質の良い実を成らせ、木の寿命を伸ばすことになるため、熟練を要した。剪定する時は、徒長枝を落とし、予備枝を残すようにする。なお、切った枝は家でカマドの燃し木とするなど燃料とした。また燃やした後のおきはコタツに入れて暖をとった。さらに、灰は他の畑や梨畑にも撒くなど、これもまた肥料として大事に使われた。
剪定が終わる一月下旬から竹の棚に枝(結果枝)を結び付ける作業が始まる。これは縄が使われたが、この縄は縄撚り機で撚った細縄が使われた。