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交配と摘果

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 四月二〇日頃になると開花の時期を迎えるとともに、交配の時期でもある。交配のことを「花合わせ」といい、必ず異なる品種で交配させるため、梨畑にはいろいろな種類の梨の木を植え、風による自然交配が行なわれた。二〇年前頃から幸水や豊水が主流になり、これらの品種は自然交配が難しいため、蜜蜂を農協から一群(一箱約一万匹)を借りて交配するようになったが、受粉樹からの花粉の交配も行なわれている。なお、高台や傾斜地では花の咲くのが早く、低地は遅くなるという。
 交配が済んで一週間から一〇日経つと、雌花に小さなタマが付く。これを一か月の間に摘果して、一本の花芽に一個のタマを残す。これをタマスグリという。実が小豆くらいの大きさのときに、摘果バサミで形の悪いものや病害虫に遭っているものを取り除く。普通一芽に七~八の粒が付いているものを一粒にする。この時、元のほうのモトナリは実が大きくならず、先端のほうの実は形が細長くなるため、三、四番目あたりのものを残すと良いという。