ぶどう栽培は、上高根沢の台ノ原を中心に栽培され、始まりは昭和二九年頃からである。昭和三五年に高根沢町ぶどう組合を一二軒で発足した。当初キャンベル・巨峰が植えられ、後に甲斐路・ピオーネが導入された。苗木は山梨県勝沼から取り寄せたり、小山市羽田の種苗店から購入した。
ぶどうは、日中と朝夕の寒暖の差が大きいほど良く、痩せ地で乾燥地ほど糖度が上がり色合いが良いという。上高根沢は酸性土壌のクロボク土で、条件としてはあまり良い土地ではない。また、ぶどうの本場山梨県が年間降水量約一二〇〇ミリに対して、上高根沢では約一八〇〇ミリと雨量が多く、特に収穫時期の秋に雨が多い。ぶどう栽培は、弱アルカリ性土壌が良いが、酸性土壌のため石灰を一反歩三〇〇キログラムと多く入れ、悪条件を克服している。