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死者の衣装

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 死者には組内の女たちが縫った晒木綿の経帷子を着せた。ものさしやはさみを使わずに目分量で裁断し、糸には糸尻をつくらず、縫い留めもせず、引っ張り合うように縫い上げる。忌みが人に付かないようにという。
 このほか、手甲、脚絆、足袋、頭陀袋をつくり、頭陀袋には三途の川を無事に渡れるようにいう六文銭(六道銭)のほか米、麦、大豆などを入れた。経帷子は左前に着せ、足袋はコハゼをつけず、紐は立て結びにした。足にはわらじを履かせた。